「エシカル消費」ってなに??意味や事例を徹底解説

「エシカル消費」ってなに??意味や事例を徹底解説

エシカル消費ってなに??

エシカル消費とは、「地域の活性化や雇用等も含む、人や社会・環境に配慮して消費者が自ら考える賢い消費行動」(「倫理的消費(エシカル消費)」に関する 消費者意識調査報告書 消費者庁 p20)のことを指します。

少し難しいですが、良く知られている「エコ」の概念よりもう少し広い概念と考えると分かりやすいかと思います。

環境だけでなく、人や社会にとっていい消費を消費者個人が考えていく消費行動です。そもそもエシカルとは英語で”ethical”、すなわち「倫理的な」という意味を指します。環境だけでなく、人や社会にとってもよいという意味で倫理的、という言葉が使われているのですね。具体的にはどんな消費行動が当てはまるのでしょうか。エシカル消費の種類を見ていきましょう。

エシカル消費の種類

環境にとっていい消費

ここは一番わかりやすいのではないかと思います。例えば以下のようなものが当たります。

  1. エコ商品
  2. リサイクル品
  3. 資源保護等に関する認証がある商品

人にとっていい消費

環境にいいだけでなく、人にとっていいこともエシカルな消費活動です。例えばファストファッションと呼ばれる低価格のアパレルの製造現場では低賃金労働の問題があることが知られています。

  1. 障碍者支援に繋がる商品
  2. 発展途上国の雇用に繋がる商品

社会・地域にとっていい消費

社会にとっていいことも重要です。地域の産品を使う地産地消をはじめ、発展途上国と垣根なく公正に取引を行うフェアトレード製品の購買もエシカルにあたるとされています。

  1. フェアトレード商品
  2. 寄付付きの商品
  3. 地産地消
  4. 被災地産品

その他のエシカル消費

人だけでなく動物に関しても倫理的であることはエシカルです。エシカル消費の考え方をベースに作られたエシカルファッション製品の購買もあります。

  1. 動物福祉
  2. エシカルファッション

エシカル消費が貢献できる課題って?

ご存知の通り、人間は生きているだけで様々な消費をしています。衣食住という生きていくために必要不可欠な最低限の要素の中だけでも、そこで消費する洋服や食料、その他諸々のエネルギーは決して少なくありません。そしてその消費には人を初めとし、様々なもの・ことが関わっています。

その我々の消費につながる過程に目を向けることが社会問題解決への一歩となります。

貧困や人権問題、労働者搾取や気候変動などの問題が世界中で議論の的となっています。これらは先進国で行われている「大量生産・大量消費」が主な原因としてあげられる問題なのです。先進国の人々の豊かな暮らしのために、途上国の社会的に立場の弱い生産者が低賃金労働で搾取されたり、地球の自然再生能力よりもはるかに早く人々が資源を使い、凄まじい早さで環境が破壊されていっているのが今の現実です。

我々消費者が、消費しているものやサービスの生産背景に目を向け、生産者の搾取を助長しないものを買ったり、環境負荷の低いものを買ったりするという行動を取ることは、それ自体が社会問題の解決への貢献・鍵となります。

国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)の12番目に、「つくる責任、つかう責任」があります。消費者としてエシカル消費を行うことは、エシカルな商品やサービスを提供する企業を支えることであり、それはこの目標を果たすと言えるでしょう。それだけでなく目標1(貧困をなくそう)や目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)といった目標にも、フェアトレード商品の購入やサステナブル商品の購入などのエシカル消費で貢献することができます。よりよい世界を目指す消費がエシカル消費なのです。

エシカル消費の課題

エシカル消費という言葉自体は2014年頃から使われるようになり、その認知度は近年向上してきているもののまだ8.8%にとどまっています(「倫理的消費(エシカル消費)」に関する 消費者意識調査報告書 消費者庁 p19より)。

また、エシカル商品は大手メーカーが作る大量生産品と異なり、価格が高いことがアンケートで言及されています。

まだまだエシカル消費の普及にはハードルが高いのかもしれません。しかしエシカルを心がけることは環境負荷の低減や国内のみならず世界の人々の生活の豊かさの実現につながっていくことは間違いないでしょう。このサイトでもエシカルな商品やエシカルに関するトピックを取り上げていきますのでぜひ「エシカル」を意識した生活をしてみてくださいね。

ブログカテゴリの最新記事