エシカルインタビューVol.10 果実の搾りかすを活かしたみらいへの想いもつつむ布 ATARA

エシカルインタビューVol.10 果実の搾りかすを活かしたみらいへの想いもつつむ布 ATARA

TSUTSUMUがうまれたきっかけ

0円からのエシカル消費、本日インタビュアーを務めます矢崎と申します。よろしくお願いします。
本日は、もったいないことがないよう余すことなく使うという価値を大切にし、エシカルな活動をされているATARAさんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

こんにちは。私はATARAでプロデューサーを務めております、野村と申します。本日はよろしくお願い致します。

ATARAさんはリンゴの搾りかすで染めた風呂敷を提供されているとのことですので、主にこちらの商品について聞いていきたいと思います。
それでは早速なんですけれども、ATARAさんの活動内容を教えてください。

はい。ATARAというブランドなんですけれども、「ATARA」という言葉自体が、実は「もったいない」の古語にあたる言葉になっています。その文字通り、地域におけるもったいない資源を原料にしたものづくりを主に取り組んでいる、というのがATARAの活動になります。

ATARAさんはその「もったいない」であったり、「余すことなく使う」ということをコンセプトに活動されていると今おっしゃっていたんですけれども、そこからどのようなことがきっかけでこちらの風呂敷が生まれたんですか?

どういった資源を使うのかを検討する中で生まれました。例えば、今岩手県の花巻市という所で事業を行っているんですけれども、そちらの市役所からご紹介いただいたり、そういった案件から進めていきましたね。

まず一番最初はおからを扱ったんですけれども、そのおからと並行してリンゴも扱いました。リンゴと聞くと、青森だったり長野を想像されると思うんですけれども、実は岩手でも結構な量の生産がされていて、リンゴの果実だけでなく、ジュースを作って販売されている方も多いんです。
その時に出るジュースの搾りかすがたくさん余っていて、もったいない状態でしたので、まず原料にしようと思い立ちました。そのジュースの搾りかすを、弊社で保有している真空乾燥機という装置で乾燥させると、蒸発させた水分と乾燥した固形分に分けて回収ができるんですね。香りを含んだ水分も回収できるので、リンゴの香りのするルームスプレーを作ってたんですけれども、その固形分がなかなか用途がなくて困っていたんです。その時にのこり染めという、野菜や果物のかすの色素を活用して布を染めるという技術と出会って、このTSUTSUMUという風呂敷が誕生しました。

ありがとうございます。とても多くの工程を経て作られているのですね。
どうして岩手のりんごを使おうと思われたのかをお聞きしてよろしいですか?

身近にあったというのが大きな理由となります。先程も申し上げた通り、リンゴというと青森が一番というイメージがあると思いますが、岩手でもたくさん作られていて、そこからジュースもたくさん作られているので、当然ながらそこから搾りかすも大量に出ているところがありました。
なので、まずは身近にあったリンゴから手を付けて、この「もったいない」を活用しようと取り組んだという経緯があります。

TSUTSUMUの素材について

 

ありがとうございます。
こちらの風呂敷の原料や素材について、こだわっているポイントはありますか?

はい。自然の色がよく出るような品種を活用して色を出す、というところに対するこだわりが強いです。
今の商品はまだまだ薄いピンク色なのですが、これを開発するまでにいろいろな品種のリンゴを試しました。

自然の色ということもあり、とても素敵な色をしていますね。
ホームページを拝見した時に、ATARAさんの商品はパッケージにもこだわっているというのが書かれていたんですけれども、どのような点でこだわっているのでしょうか?

この風呂敷に関しては、パッケージの素材にこだわっています。現在の風呂敷は紙を使用しています。基本的には、今現在資源として循環する仕組みがある原料素材を優先して使いたいというところがあります。そういう意味で極力、プラスチックフリーというところにこだわりをもってパッケージを選んでます。

風呂敷以外の商品

 

ありがとうございます。
先ほど少しご紹介があったんですけれども、風呂敷の他にどのような商品があるんですか?

はい。おからで作られたクッキーも作っております。こちらはおからを買い取って、それと岩手県の宮古市でストレスのない環境で放牧されたヤギのミルクと混ぜ合わせることで作られています。

他にも、リンゴを含めた果物の搾りかすを用いてルームスプレーも製造しています。これらの果物は全て岩手県で採取されています。
現段階ではまだ商品数は少ないのですが、いま無駄になってしまっているものを活用した商品を開発して、今後増やしていきたいと思います。

商品に込めた思い

 

ありがとうございます。新しい取り組みもされているのですね。
こちらの商品は今後どのような方に手に取っていただきたいとお考えですか?

基本的に作ってる商品は、この風呂敷も基本的にそんなに目新しいものではなく、他のお店でも取り扱われているものも多いと思います。ただ、この風呂敷というものも、それ自体を作ろうとして作ったわけではなくて、そのもったいない状態の原料を活用するために今ここに辿り着いてるという背景があります。できれば、このような商品が出来上がった背景に対して共感いただいてそういう商品を買って、どちらかと言うと今後の社会や未来に対して良い影響を与えるような購買、まさにエシカル消費が好きな方に手にとっていただきたいと考えています。

とても素晴らしいお考えですね。
それでは、最後の質問になるのですが、今後の目標や展望を教えてください。

はい。原料として扱っているもったいない資源の取扱量を増やすことで、その地域に少しでも貢献したいと考えています。
あとは、扱っている原料、例えばジュースの搾りかすだったりというのは、本来農家さんがご自身で商品化されると一番良い形になるのかなっていうように考えいて、ゆくゆくはそういう形が実現されることを望んでいます。
そうなると弊社の仕事がなくなってしまうので、この部分に関しては、弊社としても生き残っていくためにも様々なことを考えていて、現在も目下、大学と共同研究を進めながら廃棄されている資源に対して、どのようにして付加価値をつけていこうかというのも考えている最中です。

社会にとって本当にいいことは何かということを考えられていて、とても素敵ですね。
それでは以上でインスタライブ終了したいと思います。本日は貴重なお話を有難う御座いました。またATARAさんの商品をもし気になった方がいましたらInstagramの方にホームページのURLが貼ってあるので是非ご覧ください。

こちらこそ、ありがとうございました!

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