エシカルインタビューVol.34 植物由来のヴィ―ガンレザー ブルーレディバード

エシカルインタビューVol.34 植物由来のヴィ―ガンレザー ブルーレディバード

活動内容

本日は植物由来のヴィーガンレザーを使用したバッグや小物を輸入販売している『ブルーレディバード』様にお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

早速ではございますが、まず『ブルーレディバード』様が手掛けている事業内容について教えてください。

はい。我々は、もともとは雑誌の編集や企画、取材、執筆などをフリーランスでお引き受けすることが主な事業内容でした。その一方で、2021年8月から新たな事業として輸入物販を始め、今回紹介させていただく植物由来のヴィーガンレザー製品を手掛けるiFarmaissance社の日本パートナーとして、公式オンラインストアで販売しています

このような輸入物販事業を始めた理由として、iFarmaissanceというブランドに出会ったことで「こんなに素敵で環境にも配慮されたバッグがあることを日本の女性たちに教えてあげたい」「iFarmaissanceのバッグを手にすることで、日々の生活をより豊かに過ごしてほしい」と強く思ったことが挙げられます。

なるほど、石油由来の樹脂などではなく、植物由来のものを代用することで環境対策を行っているんですね!では次に、iFarmaissanceの生まれた背景について教えていただきたいです。

はい。このブランドは創設者のジェニファー・ガードナーと、その夫であるゲイリー・ガードナーのルーツが融合してできたブランドです。

ジェニファーは香港生まれのアジア人で、バッグづくりのプロとしてCOACHのバッグ工場の責任者を務めるなど、アメリカでブランドバッグ作りに携わってきた経歴の持ち主です。一方、夫のゲイリーはオーストラリア出身の会計士であり、サステナブルなビジネスコンサルタントとしてジェニファーを支えていました。

そこで、ジェニファーは自身のブランドを立ち上げるにあたって大量生産・大量廃棄によるゴミ問題CO2の排出低賃金労働による搾取といったファッション業界の抱える課題に取り組む決意をします。実際に、彼女はケンブリッジ大学の「ビジネスと気候変動」コースを受講し、iFarmaissanceのブランドコンセプトが固まったそうです。

具現化への学びの熱量が聞いているこちらにも感じ取れます!

しかもジェニファーはそのコースで優秀な成績を残して修了したそうですよ。
そして、完成したブランドコンセプトは「Farm to Closet」であり、農業生産物を有効活用して作られるヴィーガンレザーでバッグを作り、女性のクローゼットに届けたいという想いが込められています

とても素敵なブランドコンセプトですね!広大な農場のイメージとプライベートな空間であるクローゼットとの対比が魅力的だと感じました。

こだわりのポイント

では、次に今回ご提供頂いたこの商品についてのこだわりのポイントを教えてください。

こだわりのポイントは大きく分けて3点あります。1点目は、バッグのデザイン面についてです。ジェニファーは、毎日使いたくなるような魅力的なデザインに加え、機能性も充実させることにこだわりを持っています。忙しい現代女性のために、バッグを入れ替えなくてもさまざまなシーンで使えるようにと、2WAY〜4WAYで使える製品がほとんどとなっています。

2点目は、バッグの性能面についてです。例えば、アップルレザーは特に軽くて柔らかいのが特徴で、持つだけで疲れてしまう重いバッグや、入れるものの形が制限されてしまう硬いバッグではないのもメリットです。それに加え、雨に濡れても変質しないので、天気を気にせずに使うことも可能です。

最後に3点目は、カラーバリエーションについてです。私たちが好きな色のアイテムを選ぶのは、色によるエンパワーメントを知らず知らずのうちに感じているからであり、バッグは服とのトータルコーディネートも重要ですが、アクセントカラーとしてコーディネートの幅を広げてくれる色も充実しています

デザインと実用性も兼ね備えたバッグで、特に革製品にも拘わらず天気を気にしなくても良いことが個人的に惹かれました!

エシカルなポイント

こちらの商品について、どのような点がエシカルなのか教えていただきたいです。

こちらの商品は、先ほども少し述べた通り植物由来のヴィーガンレザーを使用しています。これらは環境に配慮した素材のみならず、動物由来の成分が一切含まれていないことから動物にも優しい素材となっています。

また、エシカルな観点に基づき、原料の仕入れから製品化に至るまで、関わる全ての生産者やサプライヤーの顔が見えるトレーサビリティも大切にしており、現在も4社のレザーメーカーと良好な関係を築いています。

このような植物由来のヴィーガンレザーを1つのブランドで4種類も使っている点も、他にない例だと思います。さらに、ゴミを出さないよう大量生産をせず、1つずつ手作りしている少量生産品となっています。

ハード面だけでなく、ソフト面にもエシカルが意識されていてより応援したくなりました!

ありがとうございます。言葉の定義についても、そもそも「ヴィーガンレザー」とはリアルレザー以外の合成皮革全般を指す言葉なので、私たちはあえてそれらと区別するために「植物由来のヴィーガンレザー」と素材を呼んでいます。

普通の合成皮革はほとんどの原材料がプラスチックであり、製造工程でたくさんのCO2や有害物質を排出し、水を使って作られています。それに対し植物由来のヴィーガンレザーは、製造工程においても合皮に比べてCO2や水の量が抑えられており、有害物質は含まれていません

また、ジェニファー自らが市場へ足を運んで探し出した、デッドストックファブリックを使用していることも特徴です。デッドストックファブリックとは、アパレルの大量生産によって製品化する前に余ってしまった未使用の布のことであり、いずれ埋め立てたり燃やしたりする運命の布を買い取り、バッグに使用することでゴミを減らす努力をしています。

商品を届けたい方

では、こちらの商品はどのような方に手に取っていただきたいですか?

◆「何か環境に良いこと、エシカルな消費をしたい」と思っている方
◆「SDGsや環境問題のために日常生活に落とし込んで行動するのは難しい」と思っている方
◆「どうせ買うなら少しでも環境に配慮した商品が良いな」と思っている方
このような方たちに、ファッションを楽しみながら環境に良いことが実践できる一つの手段として、使っていただけたら嬉しく思います。

創業者の方のエシカルに対する想い

ありがとうございます。
ではここで改めて、エシカルな商品を扱う理由や想いを教えてください。

はい。我々は、サステナブルな取り組みは身近なできるところから少しずつ実践すればよいと思っています。「こればダメ」「こうするべき」と行動を制限してしまうと、疲れてしまいませんか?それに、誰かに押し付けられて実践するものでもないはずです。

気候変動は1日で逆転させられるものではないし、私たち1人の力はわずかなものです。だからこそ、無理をしないで長く続けていくことが大切であり、そこに「楽しめる」要素があってほしいという願望がこのバッグの販売につながりました

環境保護という一見堅そうなテーマに対して「楽しめる」要素を意識することはとても重要だなと私も思いました!

そういった需要に向けて、iFarmaissanceの商品から成るお気に入りのバッグを手にする喜びと、そのバッグによって環境や動物へのやさしさを選ぶという誇りを得ることは、そんな自分をもっと愛して、心を豊かに過ごしてもらえるのではないかと捉えています

バッグを取り扱うからこそわかる、購入する際の基準や注意すべきことについても教えてください。

ゴミを増やさないためにも、自分が使っているシーンを具体的にイメージできる商品を選ぶことだと思います。私の場合は「コーディネートが最低でも3パターンは具体的に挙げられるもの」を購入するかどうかの判断基準にしています。また、過度に流行を追いすぎないことで大量消費の抑止に努めています。

なるほど。他にも何か、日ごろから心がけているエシカルな行動などありましたら教えていただきたいです。

実は、特別なことはほとんどしていません。やむなくレジ袋を購入するときは、使い捨てではなく別の用途でも使うようにしたり、ごみの分別を丁寧に行ったりすることは欠かさないようにしています。

今後の目標や展望

サステナブルなファッション全体について様々な考えをもって生み出された製品なのだろうと伝わりました!

最後の質問になりますが、今後の目標を教えていただきたいです。

今後の目標は男性向けユニセックス商品も展開することです。今はまだ女性向けの商品しかありませんが、より多くの人にiFarmaissanceの商品に親しんでいただくためにも、今年の夏を目途に発表できればと予定しています。また、ブランドの認知度向上に向けて、東京だけでなく全国各地で期間限定ショップを実施したいと考えています。

ありがとうございます!

本日は『ブルーレディバード』様にお越しいただき、貴重なお話を伺いました。ありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!

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