エシカルインタビュー Vol.22 海洋プラスチックゴミから作られたバッグ GOTBAG

エシカルインタビュー Vol.22 海洋プラスチックゴミから作られたバッグ GOTBAG

事業内容

今回はGOTBAGを手掛ける三栄コーポレーション様にお越しいただきました。本日はよろしくお願いします!

はい。よろしくお願いします!

まずは御社の事業内容について教えてください。

GOTBAGは「海をきれいにする」、海の環境問題にフォーカスしたリサイクルブランドです。メインの商品はバッグで2016年にドイツのマインツで創立されました。

どのような商品か

はい。ありがとうございます!その中でGOTBAGについて伺いたいのですが、こちらはどのような商品なのでしょうか。

はい。GOTBAGは海洋プラスチックごみをリサイクルしてバッグを製造しているブランドです。事業の内容としては、プラスチックゴミが多い東南アジアで海洋プラスチックごみを回収して、それを使用して商品を作ることで海からごみを減らすというコンセプトになっています。

リサイクルバッグと説明しましたが、ほかのリサイクル商品に比べて珍しいのは、自社で海洋プラスチックゴミを回収するところから、バッグの製造までやっている点かと思います。

具体的にはリサイクルペット(ペットボトルのごみを回収してリサイクルしているもの)をバッグの原料として使用するのですが、GOTBAGはこの原料に海洋廃棄プラ由来100%の生地を作っています。

海洋プラスチックごみを100%使用しているバッグ!早速興味深いです。GOTBAGはどのような点がエシカルかについて教えてください。

はい。まず海洋プラスチックを回収しているので海のごみを減らしていけている点がもちろんまずエシカルなポイントです。

さらに雇用面でもエシカルなポイントがあります。GOTBAGはドイツのブランドですが、インドネシアに現地法人を持っていて、インドネシアのジャワ島でごみの回収を行っています。
現地の漁師約2,000人と連携してもらいゴミの回収をし、それをGOTBAGが買い取ります。
その後、回収した海洋ゴミを選別・洗浄し、海洋プラをペレットにします。これらの活動をすることで現地の雇用を創出、また、環境問題に対する教育をしているという側面もあります。

また輸送に関してもこだわりがあります。
GOTBAGはインドネシアで海洋プラをペレット化し、それを中国へ送って商品の生産をしています。基本的にはドイツのブランドということで、ドイツに在庫を持っています。中国からドイツに輸送する際は航空便や船便を使うのが普通だと思いますが、GOTBAGでは陸路、ユーラシア大陸を横断して鉄道輸送をしています。
回収作業の環境配慮だけでなく、輸送についてもCO2排出量が少ないものを心がけています。また梱包もプラスチックだけでなく再生紙を使ったり、脱プラにも配慮しています。

海洋プラスチック問題について

ありがとうございます!いろいろなところでエシカルへのこだわりが感じられて素敵です。
GOTBAGさんの注力している海洋プラスチック問題について詳しく教えてください。

はい。海洋プラスチックは、全世界の海には既に1億5000万トンあり、さらに毎年800万トン新しく海に流れていくと言われています。

そしてこの海洋プラスチックによる環境問題は海が汚くなるだけでなく、海洋生物の命を奪ってしまう原因にもなっていますマイクロプラスチックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
直径5mm以下の小さなプラスチックのことを指す言葉なのですが、こうした細かいプラスチックは魚や貝が間違えて食べてしまう原因になります。

人間は魚や貝を食べて生活しているので最終的に人体にも影響を及ぼすという研究もあります。

私たちはインドネシアでの回収に注力していますが、インドネシアは年間130万トンのごみが海に流れており、これは世界で2番目に多いと言われています。その点に着目してインドネシアで活動を行っています。

商品の特徴について

商品の話に戻りますが、バッグ一つあたりにどれくらいの海洋プラスチックが使われているのでしょうか。

商品の大きさにもよりますが、バックパックだと3.5kgの海洋プラスチックゴミから一つのバッグができている計算になります。バッグ自体が3.5kgあるわけではなく重量は1kg、約1/4くらいの重さになります。

「3.5kg回収して1kgのバッグができる、残りの2.5kgはどこへ?」と思った方もいると思いますが、これには海洋プラスチックゴミには再利用できないものもあるということが関係しています。バッグになるものは基本的にはペットボトルです。回収した海洋ゴミの中から再利用可能ペットボトルゴミを抽出して工場に送っている形になるため回収量の1/4くらいがバッグに生まれ変わっているということになっています。

環境に優しいコーティングが使われているということですがこちらについても教えてください。

バイオPU (ポリウレタン)という植物由来の成分を含んだものを使用しています。オーガニックPUとも言われます。通常のPUは石油由来のものですが、バイオPUでは植物由来の成分が約半分ほどを占めています。そのため従来のものよりも生産時に石油の使用量が減ります。またPUは石油を燃やして作るので、CO2の削減にもつながることも挙げられます。

ありがとうございます。環境に優しいGOTBAGですがバッグ自体はリサイクルできるのでしょうか。

難しい質問ですね笑。例えばTシャツとかは付属品もないためリサイクルできますが、バッグは基本的にいろいろな生地やパーツが組み合わさってできています。ケミカルリサイクルの手法であれば可能だとは思いますが、検証したことはありません。一般的なマテリアルリサイクルでは難しいのかもしれません。

耐用年数ほどのくらいなのでしょうか。

まだ実は創業から5-6年くらいしかたってないブランドなので何とも言えないが、5年くらいは使い方にもよりますがお使い頂けると思います。
基本的に普通の市販されているものと同じくらいの耐用年数と思って頂ければ大丈夫です。というのもリサイクルした材料だからと言って生地が弱いということはないためです。安心してお使いいただけると思います。

どんな方に手に取ってほしいか

最後にどんな方に手に取って頂きたいですか。

まず海が好きな方というのがあります。実は創業者もマリンスポーツをしていて、海のために何かできないかということでブランドが立ち上がっている経緯があります。
他にもSDGsが話題だけど、なにからはじめたらいいかわからないという方、環境に配慮した商品が欲しいという方にもぜひ使って頂きたい商品になっています。

ありがとうございます。エシカルな特徴がたくさん伝わってくるインタビューでした。本日はありがとうございました!

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