活動内容
インタビュアーの矢崎です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さっそくなんですけれど、ミルクぱく子さんの活動内容を教えてください。
私は牛乳パックをミシンで加工してお財布とかバッグとか実用的な小物を作っています。
全て牛乳パックで作られているんですか?
最初は牛乳パックだけだったんですけれど、今は内側がシルバーの豆乳パックも使っています。例えば、この星柄のポーチですね。そちらは中心の星の部分は牛乳パックで作っていて周りのシルバーのところは豆乳パックを使っています。
ポーチの内側は牛乳パックと紙を中表に合わせて縫っているんですけど、この内側の紙が印刷会社で真っ白な紙を包んで守っていた紙なので撥水加工がされている特殊なものなのです。だからリサイクルができないものなんですよね。
普通の紙と比べてもツルツルしてますね。
そうですね、ツルツルしていて破れにも強い紙です。
しっかりした素材で作られてるんですね。
活動のきっかけ
こういった牛乳パックとか豆乳パックでポーチだったり財布だったりを作ろうと思われたきっかけというのはどういったことなんですか?
もともと手作りが好きで編み物とか服とか作っていたんです。子供が生まれてからはなかなか手芸屋さんに行くのが難しくなっていたんですが、たまたま自分の好きな雑誌を見ていたら、牛乳パックをくしゃくしゃにすると今の製品に使っているような質感になるということが書いてあったんですね。早速やってみると牛乳パックの質感の魅力にとりつかれてしまって。今では毎日牛乳パックのことばかり考えています(笑)
そうなんですね。この牛乳パックをどうやって加工して小物に使う素材にされてるんですか?
牛乳パックを開いて、あとはもうひたすら手でくしゃくしゃにするんです。くしゃくしゃにすることで製品に使えるぐらいに綺麗になってゆきます。実は、人によってくしゃくしゃになる具合が変わるので、そこで素材に個性が出るんです。
こういったポーチだったりお財布を作るための牛乳パックっていうのはご自身で飲んだものだけで作られてるんですか?
最初は家庭で出たものだけで作っていましたが、それでは足りなくなってきたので友達からもらっていましたね。最終的には今は障がいのある方が通ってらっしゃる施設の方に連絡をとり、牛乳パックの開きとなめしと洗浄まで全部を仕事として依頼して、それを私が買い取って制作をするっていう形で進めています。
なめしっていうのはどういった工程なんですか?
なめしはひたすらくしゃくしゃにする工程です。大変なところをお願いしているんですが、皆さん楽しんでやってくれているみたいです。障がい者の方にとって初めて自分自身の力で働く経験を得ることになる場合もあるということも施設の方から伺いました。
牛乳パックのリサイクルについて
牛乳パックで作られてるとおっしゃられていたんですが、牛乳パックってどうやって捨てられたりまたはリサイクルされていたりしているのかを聞きたいです。
そうですね、リサイクルの工程についてはあまり存じ上げていないのですが、意外と皆そのまま捨てちゃったりする方が多いようですね。「ゴミが減っていいわ」って言って私のもとに持ってきてくれる方が結構いらっしゃって、やっぱり皆さん捨てる事に関しては罪悪感みたいなものがあるみたいですね。
他にも、豆乳パックってどうなってるのって話だと、豆乳パックの内側がシルバーだっていうのもあんまり知られていないんですけど、やっぱり捨てられてしまうことが多いです。リサイクルはできるんですけど、そこの部分を扱うリサイクルステーションって全国では数えるほどしかないのでなかなか難しいのが現状です。
それで、テトラパックリサイクル便って言うのがあります。これがテトラパックのマークなんですけど、見たことありますか?
見かけたことがありますね。
テトラパックっていう会社さんが作ってるパックにはこのマークがあるんですけど、このマークがついている豆乳パックとかジュースのパックは、このテトラパックリサイクル便を請求すると箱が送られてきて、その箱に詰めて会社に送り返すことでパックがリサイクルに回されるんですね。テトラパックリサイクル便と検索をして頂きますと出てきますので、調べてみてください。
捨てるよりも罪悪感が生まれない分、リサイクルに回した方がいいですね!
ぱく子さんの作られてるこういった牛乳パックで作られたバッグだったりポーチだったりっていうのは、さらにリサイクルするってことはできるんですか?
縫い目だったりとか金具のところを切ってそこだけ取り除いたら他の部分はリサイクルできます。リサイクルしなくとも、牛乳パックは有害なものも出ずに燃えるらしいのでキャンプ行くときに火種にも使えます。けっこう牛乳パックの素材って使いやすいんですよね。
他のクリエイターとのコラボについて
似たような牛乳パックを使ってこういうことされてる方っていうのはいらっしゃるのですか?
今のところは直接お会いしたことはないんですが、沖縄で同じようなことをされている方がいらっしゃると雑誌で読んだことがあります。他にアップサイクル*という点だと、他に輸入木材を包んでたシートを使ってバックを作ったりとか着物を紐状にして手芸素材として販売している方がいて、その方とはコラボさせていただきました。
アップサイクル*・・・本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせること
もうコラボされたんですね。
これがそうです。これが豆乳のパックで、クラッチバッグに着物の手芸素材を結びつけてそこに手を入れて持ちやすくもしています。色もバリエーションがあります。
私は動物シリーズって呼んでるんですけど、その理由は動物の柄に模して配色を行っているからです。
例えば、この商品だと奄美の方に住んでるルリカケスという鳥の配色と同じ色になるように着物を選んで貼り付けています。大変ですけれど、これをつける作業も楽しいんです。この動物シリーズは今まで4種類しかないんですけども、どんどん作ろうと思っています。この動物シリーズに関しては売り上げの一部をWWFに寄付をしようと思っています。
例えば、この商品だと奄美の方に住んでるルリカケスという鳥の配色と同じ色になるように着物を選んで貼り付けています。大変ですけれど、これをつける作業も楽しいんです。この動物シリーズは今まで4種類しかないんですけども、どんどん作ろうと思っています。この動物シリーズに関しては売り上げの一部をWWFに寄付をしようと思っています。
そうなんですね。WWFっていうのはどんな団体でしょうか?
世界自然保護基金のことです。希少な野生生物の保全や、持続可能な生産と消費の促進を行なっているところです。
今のところ売り上げ分に関しては年末にまとめて寄付しようと思ってます。
今のところ売り上げ分に関しては年末にまとめて寄付しようと思ってます。
そういえば、4種類の商品はどんな種類の動物をモチーフにされたんですか?
他にはですね、よく田んぼにいるアオサギって鳥とウンナンシシババザルっていう中国の雲南省の高山に住んでいるすごく可愛いお猿さん、そして高知県の四万十川に住んでるヤイロチョウというもう200羽くらいしかいない鳥をモチーフにしています。
今はたまたま絶滅危惧種の生き物をモチーフにして作っていますけど、生き物も数によって命の重さは変わらないと思っているので、今後は生息数に関係なく作ってゆきたいですね。今は鳥が多いですが、次はゴリラを作ろうかなと思ってます
この豆乳のパックに黒とグレーです。そこにジャングルの緑とか入れてちょっとシックな感じで素敵になるんじゃないかなと思ってます
この豆乳のパックに黒とグレーです。そこにジャングルの緑とか入れてちょっとシックな感じで素敵になるんじゃないかなと思ってます
活動を通して達成したいこと
ぱく子さん自身はこの先アーティストとしてこういった活動をするのか、それともビジネスとして展開されるのかっていうのは考えていらっしゃいますか?
この先の活動は両方の側面から考えていますね。
ビジネスっていうところだと、まだ大々的にはオープンにはなってないんですけど、先ほどちょっとお話しした障がい者施設の方々と一緒に物を作って言ってそれを販売してみようということで、今打ち合わせをしているところです。
ビジネスっていうところだと、まだ大々的にはオープンにはなってないんですけど、先ほどちょっとお話しした障がい者施設の方々と一緒に物を作って言ってそれを販売してみようということで、今打ち合わせをしているところです。
アーティストっていうところだと、さっきみたいな自分の作りたいものを作ることですね。さっきの動物もそうなんですけど、後は牛乳パックで大作をこれからもっともっと作りたいなと思っています。
牛乳パックで花を作ってクラッチバッグを作ったりしています。これですね。
牛乳パックで花を作ってクラッチバッグを作ったりしています。これですね。
とても可愛いですね。
牛乳パックってこんなことできるよっていうことを示したいですね。
これを使って花冠を作ったりとか可愛いイヤリングを作ったりとかしてサスティナブルウェディングもやりたいなと思っています。ずっと作りたかったんですけれど、なかなかタイミングがなくて。でも最近その機会をいただくことができて、これはやろうと思いました。
これを使って花冠を作ったりとか可愛いイヤリングを作ったりとかしてサスティナブルウェディングもやりたいなと思っています。ずっと作りたかったんですけれど、なかなかタイミングがなくて。でも最近その機会をいただくことができて、これはやろうと思いました。
どんなタイミングだったんですか?
テレビ東京の『内村のツボる動画』っていう番組に出演させていただいたとき、アップサイクルをやろうという企画の中で、他のアップサイクルのインテリアを作られている方々と一緒に作業させていただきました。私はバックを担当したのですが、「すごいの送ってやる!」と思って頑張りましたね。やりたかったことをできてすごい満足でした。
素敵ですね、商品も可愛いって思う方がいっぱいいらっしゃるかと思います。
今後の目標について
次が最後の質問なんですけれども、ぱく子さんの今後の目標だったり展望を教えてください。
まだ明確にたてていないのですが、とにかく今ある製品を作り続けたいです。
でも自分の中で何かを作る時に決めてることは、ただ製品を作るのではなく、+αの価値を創造することです。作るにあたって養護施設のかたにお願いをして、障がい者の方々が働く喜びを感じられるようにするとか。製品の収益の一部が寄付されるとか。そうして製品にプラスの価値が生まれると思っています。
ぱく子さんのinstagramにも素敵な商品作品がたくさん載ってるのでそちらも是非チェックをお願いします。
よかったら覗いてください。
ぜひご覧ください。本日はミルクぱく子さんにお越しいただきました、ありがとうございました!
ありがとうございました。